この層はイメージすることが難しいネットワークの層の中では比較的イメージしやすい層かもしれません。なぜなら目に見える(ものもある)ので。具体的には以下のようなものがレイヤー1に対応するものとして存在しています。
- ネットワークケーブル
- リピータハブ
- モデム
一番具体的にイメージしやすいのはネットワークケーブルだと思います。ネットワークケーブルを使ってコンピューターとコンピューター(や、HUBなど)を接続すると、情報がやり取りできるようになります。Windowsでいえばファイルもコピーできますし、きちんと構成してあげればInternet経由で世界中のサーバーからWebページ、音楽、動画なども取得することができます。
このとき、ネットワークケーブルの中では何が起きているのでしょうか?色々なものが通るのだからものすごく複雑なものが、得体のしれないものが通っているのでしょうか?
実は非常に複雑・・・ではなく、ものすごくシンプルです。基本的に電気信号が通るだけです。しかも電圧が高い、電圧が低いの2パターンしかありません。2パターンしかないのだから、言ってしまえば人間が手で旗を上げている、下げている、ということと同じことしかやっていません。
2パターンしかないのに、PCで使える全てのもの(文字、画像、音声、動画、プログラム、その他なんでも)を全て伝えられるのは何でだろう?と思うかもしれませんが、それこそが「デジタル」のすばらしいところです。この部分に関して突っ込んでいくと今回のエントリの目的からどんどん離れていってしまいますので、そこにかんしては後日別エントリでまとめたいと思います。
さて、本題に戻ります。ネットワークケーブルはただ単に電気信号を通しているだけ、という話でした。リピータハブに関しても同じです。リピータハブは入力があった電気信号を他のすべてのポートに対して電気信号として流す、ということをやっているだけです。モデムは電気信号を電話回線に対して「ガガガ」と音声に変換して流したり、その逆をしたりしているだけです。
つまりレイヤー1に属するものたちは何も考えずに電気信号なり、音声なりを流す、あるいは変換して流す、というただそれだけだということです。そしてその信号を「デジタル信号」として上位の層(レイヤー2)に渡します。
OSI参照モデルを思い出してほしいのですが、OSI参照モデルではそれぞれの層が独立しているのがポイントです。一昔前までは物理層として物理的なケーブルしかありませんでしたが、今は無線LANのように電波をつかって通信するものがあります。ですが、有線だろうが無線だろうがきちんとTCP/IPで通信できるわけです。新しいテクノロジが出てきても関連する層でのみ対応を行えばよく、他の層は何も気にしなくてもよいのがポイントです。
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